また、並んだ
誤解されると困るので、あらかじめ言っておきますが、
私は、人ごみが嫌いです。
氏も素性も知らない人には、なるべく50cm以内に近寄って欲しくないものだと思って、
日々、過ごしている人間です。
だから、行列の意味がわかりません。
ラーメン屋だろうが、映画だろうが、iPhoneだろうが、ディズニーランドだろうが、
何が悲しくて、あんなに並ばねばならぬのか・・・
すぐ後ろに並んでいるカップルのいちゃいちゃ話をなぜ、30分も1時間も聞いて過ごさねばならぬのか。
その先に、どんなに美味しいラーメンがあろうが、どんなにいい映画(・・・はちょっと見たいかな)があろうが、
どんなに最先端の技術の結集があろうが、どんなにメルヘンチックなアトラクションがあろうが、
へっ!そんなブドウはすっぱいに決まってらぁと、それをやせ我慢とも思わずに無視し続けてきた人間です。
そんな、私が、2週間もつづけて行列に並ぶことになるというのは、これはどういう因果なのでしょうか・・・?
そう、今日も私は並んだのでした。
歌川国芳展。
油断していました。
だって、歌川国芳ですよ。
人が入っているとは思えないと思っていたのですが、考えが甘かった。
先週の清明上河図ような、あらかじめ混雑が予想されるような展覧会は午前中に行くことに決めているのですが、
今回は「歌川国芳か~、ま、すいてんだろっ(^_^)/」なんて練乳のように甘い考えで
13時くらいに家を出、めったに行かない六本木まで足を運び
(にしても、六本木は遠い感じがします。これに関してはJRの駅がないことが関係しているのではないかという見立てがあります)、
駅前のバーガーキングで「ワッパーのセット、アイスコーヒーとオニオンフライで」みたいなチャラチャラした昼食をとってから、
よりチャラチャラした六本木ヒルズに向かうと、まさかの大行列!
歌川国芳展が開かれている森アーツギャラリーというのは、六本木ヒルズの52階にあります。
52階にはもう一つ、展望台というものがあります。
我らが東京をいまだJRにけがされていない六本木の52階の高みから眺めて、いつの日かこの夜景をわが手中に収めてやろうという、
闘志あふれるギラギラ系の若者や、「わー東京タワー!キレェー」「そうだねぇ」なんて会話をかわしてけつかる痛いカップル(それに関しては身に覚えのある話だなぁー)
もたくさんいるので、どうせそいつらではないかと、タカをくくろうと思ったのですが、
さにあらず、みんな国芳の浮世絵が目当ての人々なのでした。
52階へとつながるエレベータの前のチケット売り場まで30分。
チケット売り場で、「ただ今大変混雑しておりますので入場まで30分ほどお待ちしておりますがよろしいでしょうか?」
と念を押され、「お、おぅ」と答え、高速エレベータに乗って六本木の52階へ。
それからまたやっぱり30分くらい待って、ようやく会場に入れたのはいいものの、会場の中もやっぱり大混雑・・・
それでも、なんとか、パワーを振り絞って鑑賞してやりました。
国芳は、これはなんというか、大学のサークルとかで心親しい友達と、
「わー、見てこれ、桃太郎だってサルとキジとイヌとつるつるした桃太郎と、鬼いじめてんじゃん~、かわいそう鬼」
とか、
「なにこれ、妖怪大戦争?つーか、妖怪かわいくない?」
とか、
「なんだろ、絵の中の子どもの顔が全然可愛くない人だけど・・・おかしくないwwww」
とか何とか、みんなで突っ込みつつ楽しむものなんだろうなぁー。
うん、それが正しい鑑賞の仕方なんだなと思いました。
弁慶か誰かが滝に打たれて「フンッ!」とか言ってそうな絵があって、
そのポストカードがあったら買って帰ろうかと思ったのですが、出口の売店も行列ができていたのであきらめました。
歌川国芳展は19日で展示替えがあるらしいです(だから混んでたのかな・・・?)。
よくJRの駅の看板で見かけるガイコツがぶわぁーっと描かれている絵や、宮本武蔵がクジラと戦う図や、
やたら赤い肌の色の子どもが鯉を抱きかかえる絵だとか、
裸の人間の絵だけで構成した大首絵だとかが、後期の展示内容に含まれているのかは、わかりませんが、
とにかく、六本木の人が言うには、展示の前期と後期では内容を大幅に入れ替えるということです
今週も、行列に疲れました・・・
あ、今年の6月にはフェルメールの真珠の首飾りの少女がくるらしいですね。
絶対、行きます。
フェルメールは今渋谷で展覧会が開かれています。
3枚の絵が展示されていますが、このうちの「手紙を書く女と召使い」はいい絵です。
そうか、ジェイソンがわからない世代が出てきているのですね・・・
ちなみに、話に出させてもらったタカハシさんは、4年目の子なので26歳くらいです。
26歳くらいだとまだわかるのかな・・・
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