凱風舎
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ダメです!

仕事柄、いろいろな現場に行きます。

現場というものは、割と閉じた空間で、多くて4,50人の人たちが集まって、
毎日作業するので、空気が濃密になってきます。

空気が濃密になると、何が起こるかというと、
そこでしか通じない表現が生まれます。

たとえば、僕が2年くらい前にいた横浜のプロジェクトでは
「ほぼほぼ」
という表現が至る所で聞かれました。

使い方は簡単で、
「ほぼほぼ、できています」
とか、
「ほぼほぼ、その通りです」
とか、そんな感じ。
つまり「だいたい」というくらいの意味です。

その前にいた現場では
「スピード感」
という言葉がよくつかわれていました。

これは、偉い人が下の人によく使います。
こんな風

偉い人:こないだの資料、あれいつまでにできる?
下っ端:っえ、あっ、あれですね、えーとあれは、うーん、そうですね、来週の末までには・・・!
偉い人:来週末~!まだ今週始まったばかりだよ、ホント「スピード感」がないよ「スピード感」が!!!

早くなくてもいいのか、早い感じがすれば・・・!
なんて突っ込みたくなるのをぐっとこらえることが肝心です。
そして、自分の後輩に言ってやるのです、
「おまえ、それじゃだめだ!!!
  スピード感がねぇ。お前に足りないもの、それはスピード感だ!!!!」

世の中には、こういう、あまりよく聞かないローカルな言い回しを、
新しく入った現場で聞いたときに、すんなりなじめる人と
「何それ?」とかって、拒否反応を示す人がいて、
どっちが、現場に受け入れられるかというと、やっぱ、すんなりなじめる人で、
新しい現場に入って1週間もたたないうちに、
「それは、ほぼほぼ決まっています」とか
「スピード感を持って仕事をします」
とか顔を赤らめることを無く言ってのけるようなつわものは、現場になじむのも早いし、
諸先輩方からの覚えも良くなります。

やっぱ、サラリーマンたるもの、かくありたいとのは万人の望むところですが、
そうはできず、「ほぼほぼ?そんな日本語あったっけ?」とか「スピード感?はっ、笑止!」とか言って、
余裕をかましていきたいと思ってしまうのはひととしてやっぱりやむをえないところです。

だけど、なかなかそうはできないよね、とか思っている人にお勧めなのが、これ、
そこの言葉遣いになじめないのならお前の言葉づかいをそいつらになじませろ~!!!
作戦です。

これ、簡単なようで簡単じゃありません。
だってそうだろ?
いきなり現れた、どこの馬の骨?なんてやつが、独特の言い回しで話しかけてきたって、
ハハ、奇怪な野郎だ。けっ、無視しようぜ
となるのは火を見るより明らかです。

そこで大事なのがコーテジーです。
Have some little courtesy!
何事にも、礼儀正しくないとね。

そんなあなたにピッタリなのは、
「イヤです!」と「ダメです!」
です。

これ、いいですよ。

使い方は、「イヤです!」のほうが簡単です。

使用例はこんな感じ。

Aさん:大石さん、ここなんですけどね、悪いんですけど、こないだ言っていたあれですけど、やっぱああじゃなくて、
こうなりました。すいません、こうしてください。
大石:あぁー。あの話ですね。はぁーなるほど、そういうことですか。はいはいはい。で、それはこうこうこういうことで、
それから、あれがこうなって、つまり、こうですね?
Aさん:そうそうそう、そうなんです、んな感じでお願いします!
大石:なるほど!そんな感じね、はいはいはい。わかりました、でも
      ・・・・・
      ・・・・・
      ・・・・・
      イヤです!

イヤです!の後に破顔一笑することを忘れずに!
もちろん、頼まれた仕事は、120%の力でやりましょう。

そうこうするうちに、はぐくまれる信頼、友情、安心感。
これを確固たるものにするために登場するもの、それが、「ダメです!」です。

「イヤです!」攻撃で笑いあえる仲、それはもう、友達です。ダチです。タメです。
そんな憎いアンチクショウは必ずや君に、事あるごとにこう聞いてくるでしょう

「これなんだけどさ、こうこうこういうことで、そうれから、あれがこうなって、つまり、こうでいいですかね?」
「いや、ダメです!」
そして、笑いましょう!

これで、大体のことはおっけーです。
んな、感じでやっていったので、今の現場は、
「ダメです!」
のおおはやりです。

「もう、帰ります」
「ダメです!」

「トイレに行ってきます」
「ダメです!」

「息をします」
「ダメです!」

なんてね、なんてね、なんてね

あー、何書いてんだろ・・・


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