凱風舎
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9/16~9/20

2014/09/16(火)
有給。
朝11時起床。
13:15「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(2014年米、ジェームス・ガン監督)。@TOHOシネマズ日本橋。
アメコミ映画。
普段アメコミ映画はパスするのだか、あまりに評判が良いので見に行く。
なかなか、面白かった。
「オーブ」と呼ばれるパワーストーンをめぐり、オーブを手に入れたピーターが、宇宙の各地で暴虐の限りを尽くしているロナンに追われることになる。その途上、「オーブ」には謎の力が秘められてることが分かり、、、
26年前、母親の死の直後に地球から宇宙へ連れ去られたピーターがいつも持っているのがSony製のウォークマンで、唯一持っている1980年代のヒットミックスのカセットテープをいつも聞いているという設定。
オープニングタイトルの出し方が良かった。
1980年代の洋楽シーンに詳しいともっと楽しめるのかもしれない。
自分は1980年代洋楽シーンについてはほとんど知らないので、劇中かかる曲についても数曲聞いたことがあるな、程度。
それでも楽しめたのは、音楽の使い方が絶妙だから。
物語的には、母親の死の承認とでもいうような展開になっていた。
面白かったのは、面白かったんだけど、ちょっとついていけないところがあるのは、SFに対する素養のなさかもしれない。
15:30頃終了。次に行く予定の下町コメディ映画祭まで2時間程あいたため、日本橋から浅草まで散歩がてら歩く。
意外と早く、1時間くらいでついてしまったため、ついでに浅草観光をする。
平日にもかかわらず、人が多くいた。
外国の人が多くて、彼らがしゃべる言葉を聞いていると、英語よりもフランス語、中国語よりも韓国語が多く聞かれるような気がした。
18:00「エクスペンダブルズ3」(2014年米、パトリック・ヒューズ監督)。@下町コメディ映画祭、映画秘宝まつり。
浅草公会堂、3階席まで満席(知らないかもしれませんが、「映画秘宝まつり」は毎年超満員で、チケットがなかなかとれないイベントなんです)。
往年のアクションスターがシルベスター・スタローンの呼びかけに一同に会し、エクスペンダブルズ(expendable=使い捨て品)という名のチームを結成し、悪との肉弾戦を繰り広げるシリーズの第3作。
今回の目玉は、1,2に出る予定も脱税容疑で3年間捕まっていて出れなかったウェズリー・スナイプスの初登場。
また、酔っぱらったうえでの数々の差別発言(ゲイ差別、黒人差別、ユダヤ人差別、、、あらゆるマイノリティに対する差別発言)で完全にハリウッドから干されてしまっていた、マッドマックス、メル・ギブソンの参加。
開始前に町山智浩、杉作J太郎、ギンティ小林、寺沢ホーク、水道橋博士、というメンバによる盛り上げトークもあって、会場の雰囲気も高揚したところで、映画本編の上映。
やっぱり、こういう雰囲気でこういう映画を見るのは楽しい。
オープニングタイトルが出てきた段階で会場中から拍手。往年のアクションスターが登場するたびに「おぉー!」という歓声。
面白いところでは、みんな手を叩いて笑う。
「映画秘宝まつり」会場の空気はおそらく、プロレス会場の雰囲気に近いのではないかという気がする(プロレス見に行ったこと無いからわからないけど)。

2014/09/17(水)
18:15仕事上がり。
19:00からの「フランシス・ハ」にギリギリ間に合うなと、笹塚から渋谷行きのバスに乗る。
と、渋谷付近になって、右折すべき交差点をバスが素通り直進した。
おや、となっていると「次は渋谷区役所前」とのアナウンス。
なんと、笹塚から渋谷に行くバスにいくつかの系統があるらしく、私が乗りたかったのは東急前を通るやつだったんだけど、このバスは神南方面に回り込む系統らしい事が判明。
この時点で既に18:45位になっていたため、ここから「フランシス・ハ」がかかっている道玄坂のユーロスペースまで15分で行くのは結構キツイので諦める。
とはいえ、神南方面は宮下公園に近いらしいので、ヒューマントラストシネマ渋谷も近いはず。
って事で19:00より
「悪魔は誰だ」(2014年韓国、チョン・グンソプ監督)@ヒューマントラストシネマ渋谷。
15年前の夏起こった、少女の誘拐殺人事件が時効を迎える。
時効後しばらくして、15年前と全く同じ手口の誘拐事件が発生する。
15年前に娘を殺された母親、当時事件を捜査していた刑事、今度の誘拐事件の捜査担当刑事、被害者家族、各々の物語とともに、誘拐事件の真相が徐々に明かされて行く。
物語をその落ちまで含めて要点だけ抜き出して説明したら、「名作だなそれは」と人を納得させることができるような気がするが、全然名作になっていない。
展開がのろのろしていて、TVドラマかよっていうわざとらしい演出、何より警察の描きかたが酷い。
無能すぎ、、、
物語の展開上、有能な警察がバリバリ事件を解決していったらこういうドラマチックな話にならないってのはわかるんだけど、それにしても度を越して無能に描かれている。
なぜ彼らはかくも無能であるか、ということが気になってメインのストーリーに集中できやしない。
映画のポスターで「『殺人の追憶』『チェイサー』に続く」傑作のようなことが書いてある。「チェイサー」のほうは未見なので何とも言えないが、「殺人の追憶」には遠く及ばない。
それこそ、「殺人の追憶」のポン・ジュノや「オールド・ボーイ」「復讐者に憐みを」のパク・チャヌクが作ったらどんなに傑作になったろうかと思ったり何たりした(ちなみにジョニー・トー大先生が撮ったら、多分、「登場人物は最終的にほとんどみんな死ぬけど、見ていて涙が止まらない一大叙事詩」が完成するに違いない)。
22:30頃に帰宅。
借りていた「続 座頭市物語」(1962年日本、森一生監督)を見る。
あんまり面白くない。
「座頭市物語」が貸出中だったので、「こんなものは続きも何も無い!」と続編を借りたのが間違いか?
改めて、「座頭市物語」を借りるかどうか迷う。

2014/09/18(木)
18:15仕事上がり。
幡ヶ谷でラーメン。
借りていた「ワンス アポン ア タイム イン アメリカ」を見るためにそのまま帰宅。
「ワンス アポン ア タイム イン アメリカ」(1984年米、セルジオ・レオーネ監督)。
229分!
長い!
だけど、見ていて全然退屈しなかった。
1910年位、1930年代、1960年代と3つの時代を行ったり来たりしながら、それぞれの物語が同時進行で語られる。
題名が「Once upon a time in America」なのからもわかるように、御伽噺なのでした。
おとぎ話なのであんまり身構え無くてもOK。
ストーリーもので4時間弱ある長い映画を見るのが久しぶりだったけど楽しめた。ロバート・デニーロ出てるし。

2014/09/19(金)
17:30仕事上がり。
今日は間違えないで東急前にとまる渋66系統のバスに乗って渋谷へ。
18:00過ぎに渋谷につき、何と無く、見ようと思っていた「フランシス・ハ」では無く、ユーロスペースの下の階のオーディトリウムでやっていた「水の声を聴く」のチケットを買ってしまった。
19:20の開始まで1時間ほど時間があったので、東急の上のジュンク堂に行き「現実脱出論」(坂口恭平著、講談社現代新書)を購入。
その後、カレー屋に行く。カレーが甘くて参る。
19:20「水の声を聞く」(2014年日本、山本政志監督)
何で「フランシス・ハ」にしなかったのかと激しく後悔する。
こっちが気恥ずかしくなってしまう手作り感満載のグダグダ演技が延々と続き、
ドラマを作るためだけのプロットとかにもう、うんざり。
途中でチェジュ島の虐殺の話が出て来て、こないだ見た「チスル」を思い出してちょっと興味が向く所もあり。
でも、まぁ、時間とお金の無駄だったなぁ。
上映後に監督と役者のトークショーがあるとか言っていたけど、見たく無いのでスルー。
(町田康が褒めていたってのと、上映が9/23までだったってのもあってこっちにしてしまった。町田が何故このような映画を褒めるのかはわからない。多分監督と友達なんじゃ無いかな)
TSUTAYAによって「MAD探偵」(ジョニー・トー監督)、「ベルトルッチの分身」」ベルナルド・ベルトルッチ監督)、「かげろう侍」(池広一夫監督)を借りる。DVD旧作3枚300円。
23:00頃に帰宅。
ビール飲みながら「かげろう侍」を見る。
あんまり面白くない。
それより、「ベルトルッチの分身」はこないだWOWOWでやっていたのを録画していて、HDに保存してあることが判明。100円無駄にした。。。

2014/09/20(土)
10:00「羅生門」(1950年日本、黒澤明監督)@TOHOシネマズ日本橋。
映画館で見るのは初。
言わずと知れた「藪の中」の映画化。
なぜだか上映中に気が散っていて、もうちょっと集中して見なくちゃだめだなと。
12:15「舞妓はレイディ」(2014年日本、周防正行監督)@TOHOシネマズ日本橋。
よくできていて、いろいろと飽きさせない作り。
だけど、一番肝心なところ、主人公の彼女の「舞妓にになりたい!」というところが全く理解できない。
彼女が舞妓になって、育ての親であるおじいちゃんおばあちゃんが喜んでいるのが意味不明である。
借金のかたに取られたってんで泣いて悲しむならまだわかるんだけど。
17:00に新宿で飲む約束あり。
2時間くらいあるので、日本橋から新宿まで歩く。
21:00前に解散。
あんまり飲んでないつもりだったけど結構飲んでいたらしい。
帰りに、三鷹のTSUTAYTAで「イカとクジラ」(2005年米、ノア・バームバック監督)「ロリータ」(1962年英米、スタンリー・キューブリック監督)を借りる。
前に借りたDVDを見切らない前に、また新たにDVDを借りてしまうという悪循環。
家で「イカとクジラ」を見る。
これは良い映画だった。
でも、途中寝てしまった。
良い映画は寝ていてもわかる。
主役の男の子が「ソーシャルネットワーク」のジェシー・アイゼンバーグ。

2014/09/20(日)
10:00「幕末太陽傳」(1957年日本、川島雄三監督)@TOHOシネマズ六本木。
午前十時の映画祭の1本。
日活映画。
居残り佐平とか品川心中、三枚起請など幾つかの古典落語を組み合わせてそれに高杉晋作(石原裕次郎)の異人館焼き討ち計画(梅屋敷事件かな。映画の中では成功してたけど)を加えてややこしくなりそうな話を小気味よくまとめている。
12:00過ぎに終了。渋谷まで歩く。道すがら、iphoneに入っていた志ん生「三枚起請」「品川心中」を聞く。
13:00前に渋谷に着く。
ユーロスペースに行き、17:00からの「フランシス・ハ」のチケットを購入。
松屋に行った後、渋谷をぶらぶらする。
14:30「ゲッタウェイ スーパースネーク」(2013年米、コートニー・ソロモン監督)。@ヒューマントラストシネマ渋谷。
アメリカ映画なのに何故かブルガリアはソフィアが舞台。何者かの手によって、妻を誘拐されたイーサン・ホーク扮する元レーサーが、犯人の指示によってソフィアの街を改造車でぶっ放して、逆走するは、歩道を走るは、クリスマスパーティーをやっている公園に突っ込んで行ってステージやら屋台やらに体当たりしたり、めちゃくちゃな破壊活動に従事する映画だった。
お前は自分の妻さえ助かれば、ソフィアの街や市民はどうなっても構わないのか?という疑問は意味をなさない。
最終的には発電所を爆発させてたよ。
しかも発電所を爆破する目的が、銀行を停電にさせてサーバを移動させるためだって、、、銀行には予備の電力ないのかよ、というか、レイド構成どうなってんだよ。1つのサーバが停電でダメになったらサーバを物理的に移動させなくちゃいけないって、インフラの設計間違ってないか?
しかもその大事なデータを入れるのが皆さん毎度おなじみのUSBメモリ。LUCYでも最終的にUSBメモリ出てきたけど、みんなUSBメモリに信を置きすぎじゃないかな?
普通、ああいう大事なデータが入っているサーバにはUSBメモリさせないようになっているはずだし、させてもデータの抜き出しはできないはずなんだけどな、、、というか、USBメモリに入るくらいならサーバいらないだろ、っていうような細かい話はどうでも良い。
改造車がソフィアの街を暴走して、発電所を爆発させたり、なぜか電車が爆発したり、めちゃくちゃやってた映画。
すがすがしいくらいにそれだけの映画なので、なかなかおもしろかった。
車が走っていなかったり、爆発が起こっていなかったりするシーンは退屈で眠くなる。
公開2日目にして、100人位の劇場で観客10人。

17:00「フランシス・ハ」(2012年米、ノア・バームバック監督)@ユーロスペース。
これは、傑作。
大変面白い映画だった。
27歳でNYにあるダンス・カンパニーの練習生をしているフランシスの成長過程を描く。
彼女の住所、
大学時代の親友ソフィーとのルームシェア、
男友だち2人との同居、
ダンス・カンパニーのメンバーの家での居候
出身大学の寮の管理人として住み込み
最終的に自分で部屋を借りての1人暮らし
と彼女の住所を基点にして、モノクロで軽やかに描いている。
「同性の気の合う友達といちゃいちゃしているモラトリアム時代から、親友が彼女彼氏を作ったりして一足先に脱出し、置いてけぼりをくったと感じる主人公が苦しみながらもやがて成長する。」といういわゆるブロマンス映画の定型を踏みながら、見ていて飽きないのは、主人公のフランシスがすごくチャーミングなのと、物語のフランシスに対する距離の置き方が絶妙なのがある。
昨日見た「イカとクジラ」でもそうなんだけど、ノア・バームバック監督は、登場人物の突き放し方がすごくうまい。
べったりするわけでも、過剰に苦しめたりするわけでもなく、淡々と彼女/彼に起こる物事を写すのでさらっとした感じになる。

ユーロスペースは相変わらず人入っていて満員。

20:00前に帰宅。
これから、昨日酔っぱらった状態で見て、途中で寝てしまった「イカとクジラ」を見直そうかどうか迷っている。

今週は、「フランシス・ハ」1本。
こういう映画、大好き。


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