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No

「NO」
2012年チリ
パブロ・ラライン監督。
ガエル・ガルシア・ベルナル主演。
ピノチェト政権下の1988年チリが舞台。
ガエル・ガルシア・ベルナル演じるレネは広告代理店でCMやドラマなんかを作っている。
1988年ピノチェト統治の是非を問う国民投票が行われることになり、投票までの3週間、ピノチェト側(Si)と反対側(No)に国営放送で15分ずつの放送枠が与えられる。

レネは、No側の番組制作を任される。

反対側陣営にレネが加わる前に作られた「祖国を追放された者、何千人。処刑された者、何千人、、、」という悲壮感漂う映像を見てレネは問う
「確かに心に響きました。だけど、これで本当に勝てると思っていますか?」

レネとその仲間達が作り出すのは悲壮感を排除し、「喜び」であり「笑い」を盛り込んだ映像。

反対派陣営内部で放送への向き合い方の違いによる軋轢もありつつ、レネの打ち出した戦略がはまりだし、徐々に国民の中に「NO」が浸透して行く。
焦ったピノチェト陣営は対抗手段としてレネの上司を雇うことになり、、、

と、ピノチェト統治時代に行われた信任投票にまつわる、「そうだったのか!」というエピソードの数々が過剰になりすぎず淡々と描かれていき、最後に待っている結果には胸が熱くなります。

チリにはこれまであんまり関心がなかったのですが、
ワールドカップでのチリの活躍や、「ホドロフスキーのDUNE」「リアリティのダンス」といった映画があり、自分の中で今にわかにチリ熱が高まりつつあります。

特に「ホドロフスキーのDUNE」はチリ人のホドロフスキーという映画監督と彼が作ろうとした「DUNE」という未完のSF大作を取材したアメリカのドキュメンタリーで、これが文句なしの傑作です。
まだ渋谷のUPLINKでやっていると思いますので良ければ。

 


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