「希望の松」 勝田正人さん
映画『サクリファイス』は引退した老俳優アレクサンデルが息子の誕生日に、子供と一緒に枯れた松の木を植え、3年間水をやり続けて甦らせた僧の伝説を話すところから始まります。
福島の『希望の松』を新聞で見て、とても似ていることに驚き、忘れていたことを憶いだしました。
作家柳田邦男は著書『犠牲(サクリファイス)わが息子・脳死の11日』/文藝春秋・1995年に次のような事を書いています。
次男は生前、バッハの『マタイ受難曲』を気に入って何度もレコードで聴いていた。またタルコフスキーのこの映画『サクリファイス』にも傾倒していた。
その後、自殺を図った次男は治療の甲斐なく脳死状態となり、移植のため腎臓の摘出手術を受けた。深夜に次男の遺体とともに帰宅して間もなく、長男がこの時間に偶然にNHKの衛星放送で『サクリファイス』が放送されているのに気付いてテレビのスイッチを入れると、映画の終盤の場面が映り、そのBGMは『マタイ受難曲』のアリア「憐れみ給え、わが神よ」であった。
という訳で、柳田邦男の『犠牲(サクリファイス)』は私の大事な大事な一冊でしたが、友人に貸したところ彼は引越しに際しゴミに出してしまったとのことでした。
勝田正人さんより
おたよりありがとうございます!なんとまぁそんな大事な本がごみに出されてしまったなんて!柳田邦男さんのお話、こんなことってあるんですね。
希望の松の生命力、すごいなぁ。きっと廃墟と化した世界の中でこの松をみたらもっともっと感じるものがあるだろうなと思いました。
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