『嘆きの天使』と『恋愛小説家』 北川司さん
『嘆きの天使』と『恋愛小説家』
映画の話。
二つとも初老の男性の恋愛なのです。
1930年のドイツと1997年のアメリカという設定はありますが、自分や友達が初老と言われる年にになってくると、ふーんと思いつくことがあります。
前者は勤勉厳格な高校の先生。男優の名前は忘れたが、マリーネ・ディートリッヒ扮する踊り子と親しくなるのですが、結局愛想をつかされてボロボロになってしまう。
後者はジャック・ニコルソン扮する小説家、これは神経質で人間嫌い。こちらは女優の名前を覚えてないのですが、ラストではこの二人何となくうまくいきそうな終わり方。
前者の先生の性癖の象徴として、教壇の前の机に聖書か何か本が置いてあって(机の左上隅)、彼は授業の前にその本の傾きを2,3ミリ正しい位置に直すのです。傾いてなくても。そのシーンが初めと終わりにあったような記憶があります。つまり、彼は譲れないところを変えてないということだと。
方や後者の小説家の方は、人嫌いもさることながら、街中を歩く時タイルやアスファルトの目地を踏めないのです。が、ラストシーンでは見事に踏んで見せるのです。そうしなければならないとかでそうした訳ではなく、新しい自分への変化を自然に受け入れたという感じで。彼女という他人を受け入れることで、彼は脱皮したともいえます。
二人の女性の包容力に違いはあります。でもそこだけにポイントを置いて惚れるわけじゃないんだよね。
北川司さんより
おたよりありがとうございます。
たしか、『恋愛小説家』は映画館へ観に行ったような記憶が…でもすっかり忘れてしまいました。
「でもそこだけにポイントを置いて惚れるわけじゃないんだよね。」
という司さんのお言葉、ステキ!恋愛映画の解説、これからも送ってください!
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