『年を歴た鰐の話』 勝田正人さん
過日、NHKカルチャーラジオ『自作を語る』で、懐かしい山本夏彦の
声を聴き、以下の本を棚から探し出してきました。
山本夏彦訳『年を歴た鰐の話』は昭和16年/櫻井書店刊であり、著者
は生前、多く寄せられた復刊の申し出を許可しなかったそうです。
番組ではその理由が語られており、とても面白く、今夜の第四話も
楽しみです。
下の写真は、没後文芸春秋が刊行したもので、他にも福音館からもでてお
ります。
原作者レオポール・ショヴォの自作挿絵も明らかにヘタですが
無意味(ナンセンス)という妙味にあふれています。
ナンセンスという言葉、昔は流行りましたなあ!
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おたよりありがとうございます。
ラジオで聴く山本夏彦氏の「人生読本」はまったくよかったですなあ。
聴きながら、おもわず頬が緩むのは、話が滑稽だからではありません。
むしろ、話はニコリともせぬ苦言です。
硬い話です。
そして使われる言葉もまた、漢語、あるいは故事にわたる古語であって、言うなれば、それは今では「死語」にあたるものです。
にもかかわらず聞いている私はにやりとする。
それというのも、夏彦氏の語る話も言葉も、みな夏彦氏が不断に身につけていた薬籠の中から取り出したものだとわかるからです。
それがおかしかった。
おもしろかった。
夏彦氏の江戸言葉とも相まって、私にこれは、ほとんど古典落語を聞いているような気分でした。
それにしても、私が支払っているNHKの視聴料はほとんどすべてラジオ第二放送のためだけの料金である、などという時代になろうとは。
籾井とかいうあの品位のない会長に向かって
なんせーんす!!!
と叫んでやりたい今日この頃です。
すてぱん
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