凱風舎
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「控室」 前野狼騎さん

衆議院が解散され、選挙があるらしい。
それにしても、先日テレビに写しだされていた首相
Aの記者会見ほど醜悪なものはなかった。
全く度し難い。
傲慢、狡猾、虚言のどれもが当てはまるで悪夢のような映像だったわ。
まあ、逆説的にはあの男が将来日本をどうしようとしているのか。
また、私ら日本人がこれから何を言い、何を考えるのか、あるいは、何も言わず、何も考えることをしないのか、日本のラストシーンを楽しみに俯瞰することとしよう。

ところで、私の初舞台に、朝早くから多くの友人の方々に来ていただきたいへん感謝いたしております。
今年に入って、偶然に偶然が重なって、何が何だかわからないままに能の舞台にたったわけですが、私がいちばん面白かったのは、舞台裏の楽屋というか控室の様子です。
出演者
(ほとんどが老人)がバラバラに畳の部屋に集まって、中には眼を閉じてブツブツ言いながら集中力を高めている人や、じっと天井を見つめている人、腕組みで畳の目を見ている人など、一方ではまだ出番に時間のあるグループは少し離れた隅で小声で談笑していたりと、そして大先生の「本番3分前!」という張り詰めた声で、一気に緊張感が高まります。
私は、自分が20代の頃、後楽園ホールのリングに上る前の、控室での緊張感を久し振りに思い出しました。
なかなかおつなものです!

さて、私の本業は太極拳なのですが、さすが邑井氏は「修業論」の本質を理解している人物だと思いました。
師弟の関係というのは、

『弟子は師を見るな。師の見ているものを見よ。』

というものであることを、彼は既に見抜いているのです。

ではまた        狼騎

 

  

短日の風見えるまで窓を拭く

 

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おたよりありがとうございました。

そうですか。
後楽園ホールですか。
あのときリングにのぼられた狼騎氏の顔が、ライトに照らされて青白く緊張していたことを思い出しました。
当時の狼騎氏は今から想像もつかないほど脂肪のカケラもない研ぎ澄まされた細身の体をしておりましたが、ふだんは頼もしく強そうに見えたその筋肉質の体が、リングの上でひとり立つ裸体はかえってひどく頼りなげでどこか不安気に見えたものでしたが・・・・。
今回は衣装を着、体型も貫録溢れたものになられたとはいえ、還暦を過ぎてあのときと同じような緊張感を味わうことはすばらしいことにちがいありません。

白足袋の踏むや露けき橋懸かり

すてぱん

 

 

 


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