「狼騎、表彰さる」 前野狼騎さん
六月の蒸し暑い午後、端正な女性の声で電話があった。
「 県の自然保護課ですが、このたびあなたを表彰する事になりました。」
「なんじゃ、それ?」
「実は、あなたの長年にわたる鳥獣保護員としての活動が、県環境保全功労者として認められました。」
「おいおい、わしはトリやケモ丿の保護なんぞにたいして熱心じゃないわな。
ヤキトリも食うし、イノシシ、クマの肉は大好物じゃ・・・・。
しかし、まあ表彰状をやると言うのなら、もらっといてやるわな。」
「それは良かったです。つきましては、表彰式が県庁でありますので、ご出席なさいますか?」
「アホか!わしゃ忙しいんじゃ。そんなチンケなもんに出られる訳ないわい!」
「それは残念ですね。それでは後日、表彰状を送りますので宜しくお願いします。」
「おう。そうしてくれ。とにかく知事に言っとけや。わしゃこんなもん二度ともらうつもりはないぞ。まあ、今度わしがもらうとしたら、文化勲章じゃ!ガハハハ。」
「アハハ。そうかも知れませんね。それではお元気で。」
と言うことで、狼騎は多分、生涯で一度きりとなるであろう表彰状というものを、行政からいただいた訳であります。
めでたし。めでたし。
人の世に深入りしたる油虫 狼騎
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おたよりありがとうございます。
いやいやいやいや、実にめでたい!
「おー!」と思わず声が出ました。
(たぶん、この記事を読んだ方はみんなそうだと思いますよ)
文末の俳句も、写真も実によかった!
笑いました。
俳諧の道とはかくあらねばなりません。
ほんとうにおめでとうございました!
野に出でて虹にもあひぬけものみち
すてぱん
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