「“しょーこっさん” ―千代女のつるべをとったのは― 」 北川 司さん
私は昭和27年に生まれ、小学5年生まで松任(まっとう)という町で過ごしました。
金沢から10km。昨日の日曜、ふと思いたち、小さい頃によく遊んだお寺に行ってみました。そこで野球をしたりケンケンパーをしたり、しかし今見るとなんと狭いこと か。自分の体の大きさの比較だけでなく、その空間は私を満たしてくれるものだった からなのだろうか 。
私らはそのお寺を「しょーこっさん」と呼んでいた。正しくは「しょうこうじ聖興寺」である。かの千代女が住んでいたということは小さいながらも聞き知っていた。
松任はおかげで俳句が盛んとなり、町のあちこちに俳句投函箱が設置されている。
幹線の国道8号には
『朝顔やつるべとられてもらい水』
という大きな看板もある。
さて、この句だが一説には『朝顔につるべとられてもらい水』とあり、私らも小さい頃こっちで覚えていたように思う。以下はとある本の受け売りだが、『朝顔や』とすると、当然そこで切れているから、つるべをとったのは朝顔ではなく誰か別の人だ という説が成り立つ。しかし、わざわざお寺のつるべを盗む者がいるだろうか。 これはやはり朝顔のつるがつるべやつるべの綱にからまったとみる方が自然でしょう。 しかし、現在では『朝顔や』の直筆がみつかっており、これが正解となっています。作者はまずきれいに咲いた朝顔に喜んだがよく見るとつるがのびてつるべに届いていた。 ここでもらい水をするところが女性らしい。男だったら、今日は顔を洗うのはやめておこう、とか 気がつかずつるべを井戸に落とした途端つるも一緒に引っ張ってちぎれさせてとしまうとか。
小さき日やつるべとられし寺を訪ふ
北川 司さんより
おたよりありがとうございます!
掲載遅くなってしまって申し訳ないです。
朝顔という言葉に反応してしまいました。そっかもう夏は目の前ですね。
運営スタッフ より
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