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歴史と予知

 

 

「(東電の)取締役に責任がないと言うのは、我々を愚弄していますね。(中略)放射能を浴びさせた行為というのは犯罪でしょう。違いますか?」

 

  ― 井戸川克隆・双葉町長 (毎日新聞1・24夕刊)―

 

 

 今朝の毎日新聞の科学欄のコラム(「Cafe」)におよそ次のような記事が載っていた。

 ポルトガルの宣教師ルイス・フロイスが1586年の天正大地震について以下のように記しているという。

「町全体がおそろしいことに山と思われるほどの大きな波浪に覆われてしまった。そしてその引き際に家屋も男女もさらっていってしまい、潮水の泡におおわれた土地以外は何も残らず、全員が海中で水死した」

 これが「若狭国」の「大きな町」の話であるという。
 若狭国はもちろん福井県の西部、その臨海部には今原発が14基も建っている所だ。
 なんともおそろしい。

 一方、昨日東京大学地震研究所は首都圏でマグニチュード7クラスの直下型地震が4年以内に70%の確率で起こる可能性があるという計算結果を公表したという。
 あの地震のあとの地震(余震)の多さから見て、これまでの予測を修正したのだという。
 たしかにあの地震以来私たちの体感的にも地震は増えている。
 元日に地震があったのをはじめ、今年に入ってもほとんど二日に一度体に感じる大きめの地震がある。
 昨日の夜も揺れた。
 そういう地震の増え方を計算すると「4年以内70%」という答えが出て来るらしい。
 感覚的に、あり得る、という気の方が強い。
 とはいえ、どうする、ということも思いつかない。
 とりあえず気をつけようと思うだけだ。
 それは、朝、凍結した雪に転ばないようにするのとは規模や被害の大きさはちがうが、気持ち的には似たようなものだ。
 なったらなったとき、という妙な当事者の楽観がある。

 首都圏の地震も若狭湾の津波もどっちも怖い。
 どっちも怖いが、若狭の津波の方がはるかに怖い。
 地震そのものとちがって、そこに原発があることは、しょうがないことではないからだ。   


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