忘れがたない、虹と花
さよなら、さよなら!
あなたはそんなにパラソルを振る
僕にはあんまり眩しいのです。
あなたはそんなにパラソルを振る
さよなら、さよなら!
さよなら、さよなら!
― 中原中也 『別離』 -
今日も炎天。
海からの風に乗って、1キロ以上離れた球場から時折高校野球の応援の声が聞こえて
また静かになる。
ラジオでは今日も蟹江敬三が中原中也の手紙の朗読をしている。
4週間続いた朗読も今日で終りらしい。
どれも、どれも、どれも、知っている詩、知っている日記、知っている手紙。
初めのうちは
なんだ、へたくそな朗読だな
と思って聞いていたのも、こんなに長く聞いていると、なにやらそれが中也に似つかわしいように聞こえてくるから妙なものだ。
それにしても、つくづくさびしい人生だ。
でも、ぼくは中也については書かない。
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