ヴォネガット発見
大きな悲しみは 時とともに消えるが
小さな歓びは 時とともによみがえる
魂よ
きみには不思議な 才能がある
― 田村隆一 「犬」 ―
古いノートの中に、この前触れたヴォネガットの言葉が写してあるのが見つかったから載せておきます。
しかし、これにはそれが書かれていたページ数は書いてあるのに肝腎の書名が抜けていたので何の本かわかりません。
私のノート、著者名すら書いてないがあるのに、なぜか律儀にページ数だけは書いてある。
あほです。
これも、こんなことを言うのはヴォネガットであろう、という憶測です。
わたしには愛を口にせず人生を論じる方が自然な気がするのだ。
愛がそれほど重要とは思えない。
では何が重要と思えるのか?――運命と真剣に取り組むことである。
わたしは愛をいくらか経験した。すくなくとも経験したと思っている。
もっとも、わたしが一番好きな愛は“ありふれた親切”ということであっさり説明できそうだ。短い期間でも非常に長い期間でも、わたしがだれかを大切に扱い、そして相手も私を大切に扱ってくれたというようなこと。
愛は必ずしもこれに関わりを持つとは限らない。
相当の意訳でしたね、この前のは。
でも、やっぱり、正しいな、ヴォネガットは。
田村隆一が「時とともによみがえる」言っているものも同じことだろうと思う。
同じページには彼のこんな言葉も写してありました。
「ファシストというのは、だれかに優秀だとおだてられると、それを信じ込む下等な人間のことよ。」
なんと、正しい定義!
そしてノートには、昨日の勝田氏の写真に合わせたみたいなこんな短歌も。
をとめらはエレベーターに口噤みアスパラガスの束のごとしも 篠 弘
よい歌です。
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