子ども気質
ただ、歴史認識の問題はすごく大事なことで、ちゃんと謝ることがすごく大切なことだと思う。
相手国が
「すっきりしたわけじゃないけれど、それだけ謝ってくれたから、わかりました、もういいでしょう」
と言うまであやまるしかないんじゃないかな。
謝ることは恥ずかしいことではありません。
他国を侵略したという大筋は事実なんだから。
― 村上春樹 「村上春樹さん、時代と歴史と物語を語る」(2014/4/19毎日新聞)―
今朝の新聞によれば、20日、BSフジの番組の中で安倍首相は「戦後70年談話」について
「侵略、植民地支配、痛切な反省、心からのおわびなどの言葉は入るのか」
という質問に対し、
歴史認識において(これまでの談話に)書かれていることを引き継いでいくと言っている以上、もう書く必要はないだろう
と答えたそうである。
続けて
小泉首相のときは村山首相の談話を下敷きにしているという感じはある。私の場合はそうではなくて、安倍政権として、先の大戦に対する反省をもとにした平和国家としての歩み、これからさらに地域や世界の平和に貢献していく決意を発信したい。
と語り、最後に
同じことを言うなら談話を出す必要がない
と言ったそうである。
まあ、これは、わるいことをして「ちゃんと謝りなさい」と親に言われたこどもが
「だって、ぼく、いっぺんあやまったから、もういいもん」
と言ってるみたいなものである。
今日冒頭の引用は日曜日の新聞に載った村上春樹氏へのインタビュー記事である。
謝ることは恥ずかしいことではありません。
他国を侵略したという大筋は事実なんだから。
そのとおりだと思う。
普通の大人はそう思う。
たぶん、首相は「謝ることは恥かしいことだ」と思っていらっしゃるのだろう。
だから、他国を侵略したことも事実ではなかったと言いたいのかもしれない。
あるいは、相手にけがをさせたことは認めても、
「だって、あっち方だってよくなかったんだもん」
とか、
「だって、あのときは、〇〇ちゃんもXXちゃんもみんなやってたよ」
ということで自分を正当化したいらしい。
いうまでもないが、普通、そんなことを言う奴は、たいてい、ガキ、と相場が決まっているのだが。
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