ナマ馬
ものと直接向かい合うことは、精神を自由にする。
― シモ―ヌ・ヴェイユ 『重力と恩寵』(田辺保 訳)―
四月ももう下旬に入ろうというのに、なんだか今年は一向「春」といった気がしない。
雨の日が多いせいだろうか。
今日は晴れたが、風が強かった。
というわけで、今日も猫と一緒にずっと部屋の中にいた。
老年性の出不精であろうか。
などと思っているところへ、今週、俊ちゃんから競馬のお誘いがかかった。
明日の中山競馬場。
皐月賞だ。
指定席は取れなかったそうだが、さいわいいいお天気らしいから、早々に4コーナーの芝生席に陣取って、ビールでも飲みながら、久々のナマの馬を愉しんで来るつもりでいる。
なんであれ、物事と直接向かい合うことは、精神を自由にしてくれると、シモ―ヌ・ヴェイユも言っている。
今の私に一番欠けているのは、たぶんこれだ。
明日は風に心を解き放ってこよう。
ついでに、馬券も当たるなら、もちろん何も言うことはない。
たのしみだなあ。
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