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《徒然草》  第十三段

 

ひとり燈火(ともしび)のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなう慰むわざなる。
文は、文選のあはれなる巻々、白氏文集、老子のことば、南華の篇。この国の博士どもの書ける物も、いにしへのは、あはれなること多かり。

 

ひとり灯の下に本を広げて、昔の人を友とするのは、なにより心慰められるものです。
本は『文選』の趣深い巻々や『白氏文集』、それに『老子』、『荘子』。
わが国の博士たちが書いた漢詩でも、昔のものは、すばらしいと思うものが多い。


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