春ひと日
雪の予報が外れたあたたかな午前、久しぶりに森陽平君がやってきた。
こんどの三月から浜松に転勤になるのだという。
だからこれからは遊びに来られなくなるという。
「昼御飯を賭けてボーリングをしましょうよ」と言うから出かけた。
もちろん私の敵ではなかったから、おかげでおいしい天麩羅とお酒を昼間からごちそうになった。
森君は今年二十八になると言うが、愉快なこと、昔いたずら小僧だった頃のままだ。
私はいっぱい笑った。
勉強に来ていた愛ちゃんも笑っていた。
陽 平 が 春 つ れ て 来 し 窓 べ か な 捨般
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