秋の午後
きょうの午後の空は、なんて美しいのだろうね、プラテーロ。
秋の金属的な光を放って、まるで純金の幅広の剣(つるぎ)みたいにきらきらしているよ!
わたしはこのあたりに来るのがすきなんだ。
なぜって、ひっそりしたこの坂の上からは、日の沈むのがよく見えるし、わたしたちはだれにも妨げられず、だれの妨げにもならないからね・・・。
― J.R. ヒメーネス 「プラテーロとわたし」(長岡実訳)―
今日街に出たら、「プラテーロとわたし」が岩波文庫で出ているのを発見した。
ずいぶん前から出ていたのに知らなかったのだ。
もちろん買ってしまった。
長新太の絵はないけど、かわりに、やっぱりかわいい絵が付いてる。
いいなあ、プラテーロ!
ほんとうにニコニコする。
銀色の驢馬の背中に乗って、とことこスペインの田舎を歩きたくなる。
でも、日本の秋もすてきだ。
今日はまったく引用の文章のまんまのような日だった。
どの家の庭の、柿もザクロもミカンもみんな秋の日にきらきらかがやいている。
遅咲きのキンモクセイがいい匂いだ。
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