覚えず君の家に到る
渡水復渡水
看花還看花
春風江上路
不覚到君家
水を渡り、復(ま)た水を渡る
花を看(み)、還(ま)た花を看る
春風江上の路
覚えず君の家に到る
― 高啓 「尋胡隠君」―
犀川に雪解けの水はゆたかに流れ。
名にし負う「桜橋」の桜は三分咲き。
そんなあたたかな四月をひと日、勝田氏の車で大野へ遊ぶ。
大野は金沢の海辺にある古い港町。
大野川の河口には額とくちばしの白い真っ黒な鴨が浮いている。
オオバン。
大野は醤油造りの町でもある。
魚がうまく醤油がうまい・・・となればむろん鮨もうまいわけだ。
となれば、むろん昼間の酒も。
さすればそこを行くノラ猫だって当然太っているというものだ。
おや、ここの駐車場には古い醤油樽が目印に置かれているぞ。
なかなか粋な駐車場だ。
これは誰の家だろう?
----------------------------------------------------------------------------