カノン
母にとって、父は意識じゃなくて肉体なんだわ。娘にとって、父は体じゃなくて意識なのにね。
― 中原清一郎 「カノン」―
いやあ、おもしろかったです。
昨日「通信」に書いた中原清一郎の「カノン」。
今読み終わったところです。
実におもしろかった。
しかし、これが、田中和生氏が言うようにスタニスワフ・レムの『ソラリス」に匹敵するのかどうか。
そんな比較をすることは『ソラリス』という小説にも、たぶんはこの「カノン」という小説にも失礼になるのではないかしらん。
これらはつまりはまったくちがう小説だから。
すくなくとも、向いている方向が、ずいぶん違う。
まあ、これについての詳しい感想はまた後日。
とりあえず今は、とてもおもしろかったという報告だけ。
それにしても、きょうびの文芸誌というのは高いものですな。
1390円。
一瞬、ビビりました。
もっとも、よく考えてみれば、これでタバコ3箱分の値段です。
一日二箱タバコを吸うくせに、人間は、つまらぬところでケチにできているものです。
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