出発への約束
その生涯をもて 小鳥らは
一つの歌をうたひ暮す 単調に 美しく
- 三好達治 『裾野』 -
そんな小鳥ほど、清らかですがすがしくはないけれど、思えば、私もまた、人生の大半をありふれたいくつかの言葉を言うためだけに生きてきたみたいなものだ。
「やったな。」
「よかった、よかった、よかったーっ!」
「おめでとう!!」
単調であるだけで、美しくはないかもかもしれないが、結局は、毎年の春、合格を告げてくれる子どもたちに私はこれらの言葉を言ってきたのだった。
そして、今年もまた、今日後期試験の合格発表の日、中学三年生みんなに私はそれを言えた。
そう、やっぱり合格はすてきだ。
だって、それは到達したことの証しではなく出発への約束だもの。
今日は昨日までとうって変わった春らしい穏やかな一日。
道々には沈丁花の香りがもう漂っていたよ。
追伸: ところで今年は、山田さん、美樹ちゃん、上野さん、田村君たちの後輩も
大石君、青木君たちの後輩も
飯塚君、塩出さんたちの後輩もいるんだぞお。
追伸2: そういえば、明日はやまださんのお誕生日でした。
北川氏、お祝いの俳句よろしくお願いします!!
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