一週遅れ
秘訣を知っていても実行できない者もあるし、実行はできても秘訣を知らない者もある。
― 「列子」 (小林勝人 訳)―
俊ちゃんからメールが来て、明日(というか、もう今日になっているが)東京競馬場へ行こうという。
今年のダービーは、私は子どもたちの試験の前だったし、俊ちゃんの方も、座席指定の抽選に外れて行けなかったから、一週遅れで行こうというのである。
指定席があたったらしい。
年に一度のことである。
返事はもちろん「諾」である。
明日のメインレースは「安田記念」という。
なんでも荒れるレースらしい。
さっき、JRAのホームページで出走馬の馬柱を見てみたが、もちろんどの馬がいいのかよくわからん。
見れば18番の武豊の馬が単勝20倍付く。
わからないが、まあこれから買おうかと思っている。
18番―2番―7番と三連単を買うと9万円になるらしい。
こんなのがあたるといいなあ。
とりあえず、朝のうちにこれだけは買っておこうっと。
…などと、年甲斐もなく夢のようなことを思っている。
子列子こと列禦寇先生は、不老不死の秘訣を知っていると言っていたのに死んだ男のことについていろいろ考察している。
私は競馬を愉しむ「秘訣」は知っているが、馬券を当てる「秘訣」は知らない。
できれば当てる「秘訣」は知らなくても、それを結果として「実行」できている男になりたいと思っているのだが(せめて明日だけでも!)、ふつうそういうのを世間では「マグレ」というのである。
「マグレ」でもいい。
「事故」でもいい。
当たってくれ!
早く寝ようっと。
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