凱風舎
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タオル

 

 

 鮎くれて寄らで過ぎゆく夜半の門

 

                     与謝蕪村

 

 夜ふけ、門をたたいて訪れた友が釣って来た鮎を置いて、座敷にも上がらず帰って行ったというのである。
 葉のついた穂草の茎にえらを通してでもあったのだろうか。
 一人部屋に戻ると、燭に鮎の濡れたからだがつややかに光って、寄らずに帰った友のこと、かえってゆかしくなる。
 寄らずに帰った、というのが押しつけがましくなくて、さわやかな鮎にふさわしい。
 実になんとも味わい深い俳句だなあ!!

 ・・・なんてことを思い出したのはほかでもない。
 さっき、高校生の勉強をみているとき、いつのまにかドアが開いて、黙ってなるみが入って来て、黙って部屋の入口に縦じまに「M」のマークのついたマリーンズのふくろを置いて
 「なんじゃ?なんじゃ?」
と言ってるのに、唇に人差し指を当てて黙って帰って行ったのだ。
 なんだ、なんだ?!
 袋をあけてみたら、これ。
 まったく大笑いしてしまった。

  

 

 
 先日のマリーンズ戦のおみやげらしい。

  タオル置いて寄らで過ぎゆくなるみかな  (無季)

といったところでしょうか。
 鮎とちがって、こいつはいつまでもなくならないのが、なかなかコマッタものではあるが、でも、笑ってしまった。

 今夜もサヨナラで勝ったらしいし、新井君も2安打だったらしいし、
 (まあ、一回のチャンスでは見逃し三振だったそうだが。)
 とりあえず、言うことはない!


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