かけら
蛇
ながすぎる
ー ルナール 『博物誌』(岸田國士訳)ー
やっぱりね、お小言もらいました、勝田氏に。
ながすぎる
って、私の文章。
まあ、簡にして要を得る・・・なんて、そんな芸当、私にできるはずもない。
要はお節介なんです、私。なんでも説明したくなる。
とはいえ、反省を込めて、今日の引用。
ちなみに、これ、上の 蛇 というのが題で、本文が ながすぎる。 です。
絵も付いてます。ボナール。
ながすぎる。 って書きながら、「そんなッ」ていうくらい短い。そこが、ふふふ。
こないだ大阪のはずきさんが、大学でのレポートに訳文を引用するときには、訳者の名前もちゃんと書かなければならんのだと言っていたので、なるほどそういうものかと、こないだから極力訳者の名前もつけようとしてるんですが、今日のこれの場合、だれが訳してもほかに訳しようがないみたいですよね。
昔、岩波文庫の新しい訳が出たとき本屋でのぞいたら(私の持ってるやつは新潮文庫)
へび
長すぎる。
漢字とひらかな入れ替わってました。
なんか、新潮文庫の〈蛇〉が脱皮したみたいでおもしろかった。
ところで、昔、高校生だった私、受験勉強の息抜きか何かで何気なく本棚にある『博物誌』を開けてみたことがあった。すると、なぜかところどころのページに、少し色あせた青い小さな花びら数片ずつ散らばってはさまっている。
なんじゃろか、これは?
私、狐につままれたみたいな気分だった。
でも、よーく考えてみると、以前、後輩の女の子に「何かおもしろそうな本を貸してくれませんか」と言われたことがあって、そのとき「おおよ」と二つ返事で翌日私が手渡した数冊の中にこの『博物誌』も入っていたのを思い出した。「ありがとうございました」とその子から返してもらった本、そのまま本棚に戻したのだった。
と、いうことは・・・。
私、あわてて彼女に貸したほかの本もぺらぺらとめくってみました。でも、なんにもはさまってはいませんでした。
あの小さな青い花がはさまっていたのは『博物誌』だけでした。
うーん、なんじゃろか、これ。
ひょっとして
蝶
二つ折りの恋文が、花の番地を捜してゐる。
だったのでしょうか。
はさまれていたのは、オオイヌノフグリの花。外はもうみぞれの季節でした。
蝶はもちろん飛んではいませんでした。
と、まあ、別に、話と言えばそれだけの話なんですけどね。
春、道端に落ちてきた青空の欠片みたいなオオイヌノフグリの青い花を見ると、ふと、そんなこと、思い出したりするわけです。
もちろんその子に貸してあげた『博物誌』以外の本の題名は何一つ覚えていません。
でも、こんな文章書いてると、言われそうですね。
寺西
あますぎる。
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