ほ
こころざし 深くそめてし をりければ 消えあへぬ雪の 花と見ゆらむ
よみ人しらず
― 『古今和歌集』 (奥村恆哉 校注)―
今年の二月は寒い。
私が年を取ったからだろうか、こんな寒い二月には遭ったことがないような気がする。
今日も朝から雪でした。
そんな今日は公立高校の発表の日。
うれしいことに、めでたく全員合格でした。
前期の試験で全員合格なんて今までなかったことだ。
よかった。よかった。
でもね、やっぱりいるんですよ、連絡が遅れる奴が。
こっちが試験の成績をみて大丈夫かなぁって心配してる子に限ってそうなんだから、ほんとにコマッテしまう。
今日も、発表は9時だっていうのに、3時すぎになってやっと連絡を寄こすのんきものがいました。
「お前なんか、出入り禁止じゃあ!」
私、電話口で叫んでやりましたが、彼によれば、
「合格して、なんだかぼーっとしてしまっていました」
ってことらしい。
それくらいうれしかったらしい。
まあ、よかった、よかった。
肩の荷、下りました。
今日の引用は『古今集』の春の歌。
花の咲くことを心待ちにしていたものだから、消え残っている雪が、花にみえてしまうのだろうか。
という意味だと、校注者が書いております。
ずっと、合格を願っていた子どもたちにとっては
今日降る雪や 花と見ゆらん
だったんでしょうな。
お祝いの花吹雪みたいに思えたかもしれない。
ともかく、ホッとしました。
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