春の贈り物
猫は上のかぎり黒くて、ことはみな白き。
(猫は、背中だけ黒くて、ほかはみな白いのがよい。)
― 『枕草子』 (松尾聰・永井和子 校注・訳) ―
しつこく鳴くヤギコの声にイヤイヤ目を覚ますとやけに外が明るい。
こんな朝はずいぶんひさしぶりだ。
窓を開けてみると青空。
雲一つない。
建物の影がくっきり地面に落ちている。
私はとても単純なので、春めくそんな朝の光を見ただけだというのに、昨日までのすこしくすんでいた心が、今日はいつの間にか生き生きと動き始めている。
それは、とてもよいこと。
なぜって、歓びに対して単純に素直になれるということこそが、たぶん春が私たちにくれる一番の贈り物なのだから。
というわけで、今日はなかなか上機嫌なので、本文とは何の関係もないけれど、
ヤギコって、どうやら「清少納言の理想の猫」らしいぞ!!
という引用をしてみました。
ほんとに、鳴きさえしなければ、まったくいい猫なんだけどなあ。
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