「猫の掌」の象形文字
釆(べん)は獣爪。
田はその掌(てのひら)の部分。
上下相連ねて獣掌全体の象形字である。
― 白川静 「字統」 ―
今日引用した文章は、ある漢字について書かれているのですが、それが指している漢字がなんだかわかりますか。
殷の時代の青銅器に刻まれた「金文」という文字ではこんな形をしているそうです。
これは
番
という漢字です。
さて、今日の新聞に、この漢字の成り立ちについて不思議な事が書いてありました。
この字は「動物の足の裏」だ、というのです。
ホンマかいな。
というわけで、さっそく白川静の「字統」を調べてみました。
すると、冒頭の引用のごとく、漢字学の泰斗・白川静先生は、これは、上の部分が爪で、下の「田」の部分はいわゆる「肉球」を表しているのだと書いているんですな。
でもって、この二つを合わせてこれは「獣の足」を表している漢字だ、って言うんです。
つまり、端的に言うなら、「番」という字は「猫の掌」の象形文字だった!
知らなかったぁ!
そう思って見ると、この
番
の字、
なにやら、ほんとうに猫の足の裏みたいに見えてきますなあ。