凱風舎
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八木重吉だった

 

 

昨日、思い出した、とか書いた半端な詩句は、実は八木重吉のだった。

それが重吉のものだなんて、なんで昨日は思いつかなかったんだろう。
秋だというのに、どこかすこし心がくすんでいたんだろう。

 

 

赤とんぼ        八木重吉

 

赤とんぼが

浮かんでいる

ため息のように ながれている

 

 

重吉の詩は、まるでふうっと空に湧いたとんぼがそっとそこにいるみたいに、心に湧いた言葉が、そのまま何の色もつけくわえられないままそこに置かれている。