凱風舎
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手押しポンプ

 

ポンプを動かしてゐるうちに水が井戸に湧く。

 

― アミエル 「アミエルの日記」(河野与一訳)―

 

いやあ、大石君、「コンセント」、抜かないでください!
あなたの日誌、なんだか荷風の「断腸亭日乗」めいた味が出てきた。
たいそうおもしろい。

続ける、ということがおのずと作りだす世界というものがあります。

 

教えているうちに、実はたくさんの新しいことを覚えました。
知っていることを話しているつもりで、実はそれを話すことによってそのことの新たな面が見えてきました。
誰かに何かを見せながら、実は自分がそれをあらためて見つめていました。
考えたことを書いているつもりで、実は書きながら考えていました。
ポンプを何度も何度も動かしているうちに井戸から水が湧いてきました。

 

アミエルがそんなことを書いています。