自分であたためてください
生きていく理由はいくつおつけしますか?
生まれた意味はあたためますか?
栗原夢子
こんな短歌が今週の日曜日の毎日新聞の歌壇・俳壇欄のコラムに紹介されていた。
ふーん、と思った。
別にすぐれた歌だと言うのではない。
たとえば「天衣無縫」という言葉がある。
天人の衣は縫い目がないそうだが、それと同じように、作品に作為技巧の跡が見られぬほど自然な詩歌をほめる言葉だ。
その点から言えば、この短歌には作為の跡ばかりが見える作品と言わねばならない。
それだけでも、ずいぶん作品としては劣る。
にもかかわらず、ふーん、と思った。
それは、たぶん、ここに今という時代の匂いがするからだろうと思う。
それで、今週ずっとぼんやりとこの歌のことを考えていた。
このような歌が歌われる時代について考えていた。
そして、そのような時代を生きる人間について考えていた。
そして、今日、その「時代」について昼間じゅう長々書いていた。
けれども、それは消した。
ほんとうに、書き出すといくらでも長くなってしまう。
というわけで、代わりに、さっき撮ってきた近くのコンビニの写真をおつけしてみました。
もしあたためたい方がいらっしゃいましたら自分であたためてくださいませ。