反面教師
「成功しようと人たちが大切にしなければならないのはVWだ」
― 山中伸弥・緑慎也 「山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた」―
いやはや、ものすごい風でした。
部屋がおおいに揺れる。
台風というのはやっぱりおそろしいものです。
そんな風も弱まって来た午後2時ころ、高校生の真君と愛ちゃんが相次いで勉強にやって来る。
エライものだ。
と、思っていたらすこし経って中学三年生のうちクシダ君とウエダ君もやって来た。
これで、この三連休彼らは毎日塾にやって来ている。
彼ら曰く、
「部活終わったら、休みにやることないんだもん」
だからと言って、塾で勉強しようなんて!
いやはや、 こんなまじめな「男子」はこの塾に今までいたことなかったなあ!
「どうよ、今からそんなに勉強してたら、今度のテスト、おまえら二人で学校の1番と2番取っちまうんじゃないかぁ」
とひやかしたら、
「先生、そんなことになったら、この塾評判になって人でいっぱいになっちゃいますよ」
と要らぬ心配をしてくれる。
が、案外彼らはその気でいるのかもしれない。
エライなあ!
こないだ愛ちゃんが図書館から借りてきた本を横取りして勉強してる横で読んでいたら、今日の引用したような言葉が書いてあった。
山中教授が研究員としてサンフランシスコの大学の研究所に行った時、そこの教授が言っていた言葉らしい。
大切にすべきVWとはフォルクス・ワーゲンのことではなくて、なんでも「VW」の「V」は 《Vision》の「V」、「W」は 《Work hard》の「W」なのだそうだ。
たしかに、そうだよなあ。
きっちりとした目標を持ち、それに向かって一生懸命頑張る。
成功するのにこれくらい大切なことはない。
もちろん、私には若いころから今日に至るまで明確なヴィジョンもなければ、ワーク・ハードもしないまま生きてきたんだけれど、だからこそ逆に、この二つが人にとって間違いなく大切なものだということはよーくわかる。
先生というのは何も正しいことを身を持って教えるだけが能ではない。
「反面教師」もまた大事な先生である。
持つべきは反面教師!
というわけで、このごろは クシダ君もウエダ君も愛ちゃんも真君もとりあえずみんな Work hard の凱風舎でございます。