詩も聞く橋
1977年なんて昨日のような近過去と考えておりましたが、どうも、遥か大過去のようです。
― 勝田氏の投稿 「昨日の風景」ー
下菊橋――勝田氏の投稿に添えられていた写真の右下にそう書いてありました。
下菊橋は犀川に架かる橋で、私の家の下にある桜橋から七・八百メートルほど川上の橋です。
写真ではその橋の歩道の上に何の遠慮もなく茣蓙が敷き延べてある。
そして、その上に胡坐をかいておっさんたちが何の屈託もなく将棋を指している。
で、そのおっさんたちの向こうにはステテコ姿で一人たたずむおっさん・・・。
このおっさんをふくめて、みな、犀川の夜風を受けて涼んでるんですな。
各家にクーラーなんてなかった時代の夏の夜です。
なるほど、こんな写真をみると、1977年というのは、それから36年後の現代よりも、むしろ、それから200年前の1700年代後半江戸の鳥居清長「大川端夕涼」や、あるいはさらに遡って300年前の1600年代後半の久隅守景の「夕顔棚納涼図屏風」の時代に近いことがわかります。
この40年で私たちが、何を得、何を失ったのか、そんな野暮を問おうとは思いませんが・・・。
ところで、さっき「下菊橋」とうちこんだら「詩も聞く橋」と出てきました。
あの橋が詩が聞ける橋とは思いもしませんでしたが、実はそうだったのか。
来月帰ったら、夜一人たたずんで耳を澄ませてみましょう。
ステテコ姿はやめておくつもりですが。