風雨強かるべし
我生天地間
一蟻寄大磨
区区欲右行
不救風輪左
天地の間に与えられたわたしの一生は
大きな挽き臼にくっついた一匹のアリだといえる。
せかせかと右へ進もうと思うけれども
大臼のような「風輪」が左の方向に回っていれば、それを救い止めることはできない。
― 蘇軾 「臨皐亭に遷居す」 ―
夜明け鳴いていた雀が静かになったのは、風が強くなったせいだ。
風は南、電線に唸り、ときとして部屋を揺する。
何か書こうと思っていたのだが、やめておく。
書くことがないのではなく書けないのだ。
今日は一日風が強いそうだ。