今日だけど
中年やバレンタインの日は昨日
小西昭夫
いいですなあ!
今日見たバレンタイン俳句の中で出色でした。
大笑いしてしまいました。
俳諧とはこうでなければなりません!
まあ、少女はむろんのこと、女性の方々にとっては、二月そのものが「バレンタインの月」ってことでしょうし、この初五が 「少年や」なんてことになれば、期待と不安が入りまじって、
バレンタインの日は明日
ってことになるんでしょうが、「中年」はちがいますなあ。
淡々たるものです。
そもそも、世の狂騒からは、おのずと除外されてしまっている。
あるいは、降りてしまっている。
そして、気づいてみたら
おや、バレンタインは昨日だった
というわけです。
だからといって、それがさびしいというわけでもない。
ただ淡々と
バレンタインの日は昨日
と思うばかりです。
すばらしいですな。
小西さんがどんな方か存じませんが、なにしろ昭夫さんですからね、その名、昭和の匂い芬々として、まさに「純正おじさん」と呼ぶにふさわしい方のように思えてまいります。
ほかに
老夫婦映画へバレンタインの日
景山筍吉
というのも、なかなか味わい深くございました。
この日は婦唱夫随でしょうか。