凱風舎
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シュウカツ

                  

  東風(こち)吹かば匂ひ起こせよ梅の花主(あるじ)なしとて春を忘るな

                                    菅原道真

                        

 

 

  昨日風呂からあがってシャツを身につけようとしたとき、ちょっとびっくりした。
 というか、ギョッとした。
 ありえない匂いがするのだ。
 なんというか、果物のような、花のような・・・。
 とはいっても、あくまで人工的なあまい匂い。
 なんじゃ、こりゃあ!

 そういえば、こいつはこないだ買った新しい洗剤で洗濯をしたのだった。
 たまたまスーパーでその日安売りしているのを買ったのだが、こんな匂いがするとは知らなかった。
 ヨワッタなあ。

 若い娘さんの脇を通り過ぎたとき、花のような、果物のようなそんな香りがそこはかとなく匂ってくるというのは、わるくないものである。
 しかしながら、おっさんからそんなものがにおってくるっていうのは、どうなんですかねえ。
 わしとしては、フルーツの香りのするももひきをはいてるおっさんであるよりは、むしろ加齢臭ただようおっさんでいたいのだが。
 とは言っても、加齢臭とはいかなる匂いのことを指すのか、私にはとんとわからんのですが・・・。

 それにしても、ヨワッタなあ!
 ってことは、とりあえず、これで私も 《シュウカツ》をしてることになるんでしょうか?
 したくないなあ、シュウカツ。