凱風舎
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Imperceptible days  1556

 

  「〇〇君、たのしみにしてるかもしれないね」
  お母さんがそう言うと、何のことだろうというみたいに
 「えー?」
と言って『怪傑ゾロリ』の本を広げていた3年生くらいの女の子が顔を上げた。
 本棚に目を向けたままのお母さんが
 「みくのチョコレート」
と言うと、その女の子は、パッと笑顔になって、ちょっと身をよじるようにした。
 人の体は、なんと素直にこころをあらわすもんなんだろう!
 それにしても、女の子って、好きな男の子が自分のチョコレートを待っててくれるかもしれないって思うだけでこんなにもうれしくなれるものなんだな。
 なんだか、ニコニコしてしまった。
 

 
 帰り道、日向ぼっこをしてた猫をみつけてしゃがんだら、ひょい、とこんな恰好をしてくれた。
 うれしいのかなあ。
 ひょっとしたら、こいつ、 「みくちゃん」って名前の猫かもしれないぞ。
 

 

                             Miku?