凱風舎
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LOOPER

LOOPER
ライアン・ジョンソン監督

2013年、遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

2013年一発目は、SF!
タイムスリップものです。

前回はミュージカルで今回はSFと見境がありません。
ただ、去年の暮れあたりからLOOPERは名作であるという噂がtwitter上に流れだし、
結構楽しみにしていました。

舞台は2044年のアメリカ。
その時代にはまだ、タイムマシンは発明されていないが、そこから30年のちには発明されている。
主人公ジョーは、闇の組織によって30年後から送られてくる標的を撃ち殺すLOOPERと呼ばれる仕事をしている。
30年後の世界ではID管理システムが完璧になっており、誰かを簡単に殺害することができなくなっているため、
悪の組織は禁止されているタイムマシンを使用し、30年前で待ち構えているLOOPERの手に標的を送り始末をつけている。
ある時、ジョーが指定された時間に銃を持って待っていると、そこに送り込まれてきたのは、
30年後の自分だった!

バリバリのSFです。
加えて、無意味とも思えるアクションも満載(30年後のジョーの役がダイハードシリーズでおなじみのブルース・ウィリスだし)で、
一見、大味な娯楽作品に受け取られそうですが、そんな単純なものではありませんでした。

私はいろいろと細かいことが気になってしまうので、SF映画があまり得意ではありません。
この作品も途中までは、うーん・・・と思って観ていました。

しかし、ある瞬間から、俄然、話が面白くなってきます。
この面白さには2つの要素があります。

まず、タイムスリップものとしての話の面白さ。
タイムスリップものを観ていると頭がガンガンしてくるのは私だけではないと思います。
ところがこの映画は、過去とか現在とかが入り混じっているややこしいはずの話なのに、
観ている私たちを妙に納得させる力があります。
物語が非常に巧妙ですごいなという感じ。

もうひとつは、話がその方向に進むのか!
という驚き。
これはただ、表面をなぞっただけのSFではありませんよ。
LOOPERという題名の意味が、最後の5分間で一気に深まります。

若き日のジョーを演じているのは、ジョセフ・ゴードン・レヴィットという俳優で、
この人は日本の俳優の井浦新(ARATA)という人に顔がそっくりです(彼から狂気を抜いた感じ)。

文化活動見学部などと言いつつ、最近では映画のことばかりで少し反省しています。
新年早々の1/3に東京国立博物館に長谷川等伯の松林図を見に行ったのですが、
3が日から、これでもかってくらいに東京国立博物館は混んでいて、松林図の前には人だかりができていて落ち着いて観れませんでした・・・
ただ、1/2にリニューアルオープンしたという、東洋館はすごく面白かったです。ミイラもあったし。

そんな感じです。