凱風舎
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ちあきなおみ

 

     静かに 静かに
     手をとり 手をとり
     あなたの囁きは アカシアの香りよ

 

 ― 「星影の小径」 (矢野亮 作詞)―

 

 今週の水曜だったか、朝7時過ぎに目を覚ましてラジオをつけたら、いきなり、ちあきなおみが流れてきたので、びっくりしてしまった。
  「雨に濡れた慕情」。
 まあ、耳にしたとたん曲名がわかってしまうというのも、なかなかよわったものだが、ともかく
   朝っぱらから、ちあきなおみ、とはどういうことなんだろう。
   クラシックの時間じゃないのか。
などと思いながら聴いていると、曲が終わって作家の村松友視の声が聞こえてくる。
 まあ、村松友視だというのが声でわかってしまうのも、またまたどうかと思うのだが、どうやら、これから二時間ちあきなおみを掛けまくるらしいのである。
 いやはや。
 朝からです。

 で、私、どうしたかと言うと、・・・・・全部聞いてしまったんですな。
 あの、ですね、わたし、黙ってましたけど、実は、ちあきなおみ、好きなんです。
 なぜかって?
 まあ、なんでもそうですが、嫌いな理由はいくらでも言えるけど、好きな理由、なんてのは要らないもので、そんな理由が言えるうちは、まあ、「好き」とは言えない、としたものです。
 ・・・というほど、ほれてる、というわけでもないんですが。

 もちろん村松氏は曲の合間合間に、いかに彼女の歌がすばらしいかを縷々解説なさっておりましたし、その一つ一つが、実に正しいなあ、などと思いながら聞いていたのですが、まあ私の方は、ただただ、朝からうっとり歌を聴いておったという次第です。

 ちなみに、その日のラインナップは以下のようでした。

  1 雨に濡れた慕情
  2 夜間飛行
  3 ねぇ あんた
  4 赤とんぼ
  5 紅い花
  6 小春おばさん
  7 矢切の渡し
  8 百花繚乱
  9 円舞曲(ワルツ)
 10 夜へ急ぐ人
 11 星影の小径
 12 黄昏のビギン
 13 口笛の聞こえる港町
 14 錆びたナイフ
 15 アゲイン
 16 喝采
 17 伝わりますか

 などと並べてみても、あんまり芸がないけど、この人、持ち歌もいいけど、他の人の歌を歌うと、ほんとにいいなあ、と思う。
 もしよろしければ、おひまな折(もちろん夜の方がいいです)「黄昏のビギン」、「星影の小径」あたりをお聞きになって、うっとりなさってくださいませ。
 ちなみに、さっきYou Tubeで検索したら、「伝わりますか」の写真はヤギコのイトコみたいな猫でした。
 ついでにお聴きくだされば、おねえさま方の「娘心が悪戯」するかもしれません。