「デンジャラスですので」 北川司さん
月に一回は食べたくなる「パルマ風スパゲッティ」&「フォッカチオ」。
昨夜、雪も降りだし11時頃に仕事を上がり、サイゼリアに行ったべさ。
職場から近くのこの店は繁盛しているのに夜10時を過ぎると店内スタッフが一人しかいない。
しかも行くたびに顔が替わっている。
その日もテーブルの6割くらいお客がいて、まだ不慣れな感じのする若い彼は、来客の案内やら注文聞き、料理運びにレジまで。
おまけにお帰りの方一人ひとりに「足元お気をつけ下さい」と言っているのでありました。
私は、もちろん好意の眼差しで彼を見ていたのだが、それより以前、店に入ったと同時に後悔していた。
でかい声を出してしゃべり、のべつまくなし笑う二十歳過ぎぐらいの男四人連れ。
馬鹿を丸出しにしても四人連れだから恥ずかしくないのか?
公衆の面前たることを全く意に介していない。
いつになく早く出てきた料理をたいらげ、そそくさと帰ろうとしたところ、レジにイタリア人とおぼしき先客(おっさんに見えたけど30代かも)がいて、小銭を一枚一枚なんとゆっくり出すのでしょう。
そのあとかの店員は仕込み通り、「足元お気をつけ下さい」と言ったのですが、伊氏にはすぐに通じず、三回ほど繰り返し、伊氏は分かったような分からないような顔をしてドアに手をかけた時、やおら遅れて伊氏の奥さんとおぼしき夫人がレジの横を通り抜けにかかったので、店員はその伊夫人にも「足元お気をつけ下さい」とやりだし、二回目に彼女が「わかりません」と言うので、ついに私は言ってしまった。
「いつまでしゃべっとらんや。わからんてゆーとらんヤ」
(決してポンタのような怒声にあらず、通常会話音量。)
しかし、この時私にもっと器量があったなら別の展開もあったのに。
そして伊夫人はささやくように「英語で・・」と言いました。店員はほんのまばたきするくらいの間、フレーズしたのち、
「デンジャラスですので」
と言ったのです。
すると伊夫人は片手を軽くあげ、会釈して、その手を旦那に預けたことでした。
その時私は彼に「良かったな。通じて」と一言かけてやれば良かったのに。
と帰りの車の中で思いました。
また、その場で言うとしたら「びぃけあふる とぅ すりっぷ」かなぁとか思いながら。
それを言えてたら、彼と伊夫妻にとって違う夜になってたのに。
写メでも撮れてたかも。
おたよりありがとうございます。
そうですか、パルマ風スパゲッティっておいしいんですね。
私も今度その組み合わせ、たのんでみます。
「デンジャラスですので」 おもしろかったです。
運営スタッフ より
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