けふ一日
けふ一日また金の風
大きい風には銀の鈴
けふ一日また金の風
女王の冠さながらに
卓の前には腰を掛け
かびろき窓にむかひます
外吹く風は金の風
大きい風には銀の鈴
けふ一日また金の風
― 中原中也 「早春の風」 ―
今日は朝開けた窓を一日ずっと開けたままにしていました。
外は明るく日が照って、すこし風はあったけれど、膝掛けを掛けていればちっとも寒くはありませんでした。
と、いうわけで、今日は椅子に座っていると、どうしたって中也の「早春の風」の前半の三連を思い出してしまいます。
(ルビが振れないので、せっかく中也が意匠を凝らしている書いているのに、(カッコ)で読みを付けたら字数が変わって美しくなくなるので書きませんでしたが、「一日」は「ひとひ」と読みます)
それにしても、いい詩だなあ。
声に出して読んでごらんなさい。
のびやかで、ゆったりしていて、もう、なあんにも要らなくなる。
さて、そんな私、かびろき窓にむかって、今日は一日
坂野潤治 「日本近代史」 (ちくま新書)
というのを読んでおりました。
いやあ、興奮しました。
タバコを吸うことさえ忘れてました。
めちゃくちゃおもしろかったです。
なるほど、そういうことだったのか!
と幕末から太平洋戦争までの歴史がはじめてよーくわかったような気がしました。
学者というのは、スゴイものです。
歴史をちゃんと見るというのはスゴイことです。
もしよかったら読んでみてください。