啓蟄
時どきは前脚あとあし伸ばします猫だってあなたしびれるんです (仙台市) 坂本捷子
― 『朝日歌壇』 2002・3・5 ―
そうですか。
しびれるんですか。
知りませんでした。
今朝の朝日歌壇に載っていた短歌。
頬をすこしゆるませて読んだ。
猫を詠った俳句、短歌はだいたい無条件でよしとしてしまう。
そんなヒイキ目は抜きにしても、すくなくとも、昨日の毎日新聞に載っていた
《東日本大震災から一年を詠む》
と題して歌人たち六人が二首ずつ詠っていた短歌のひどさに比べればこの歌は数等いい。
でも、それらの歌のどこがなぜダメなのかについて書けばまた長くなるから、やめる。
今日は啓蟄というに朝から冷たい雨。
虫なんてまだまだ出てきそうにもない。
昼過ぎ、膝かけをして本を読んでいたら、愛ちゃんがやってきた。
こんな日、短いスカートは、見るだに寒いが、それに負けないのが若さなんだろう。
まじめに数学のお勉強をしている。
今度は高校生の期末試験。
明日からほかの高校生もやって来ると連絡があった。
虫は出て来なくても、彼女らがやって来れば、またまたにぎやかになってそれでまあ春みたいなもんだな。