疲れた夜に
紙風船
落ちてきたら
今度は
もっと高く
もっともっと高く
何度でも
打ち上げよう
美しい
願いごとのように
― 黒田三郎 「紙風船」 (『全集・戦後の詩』 鮎川信夫・大岡信・小海栄二 編)―
紙風船のように
何度も
何度でも打ち上げようとすることができる美しい願いごとが
私の中から消えませんように
そして
もし
それがつぶれそうになったとき
それをまた手のひらに載せ
その小さな穴から息を吹きこむことが
私に
できますように
それが私の
あなたとの《約束》だから