凱風舎
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無条件幸福

 

 カワイラチイネ、
 おまへさんの鼻は、人間の鼻の模型だよ、
 ホ、笑ってら、てんでこつちが笑ふと、
 いよいよ尤(もつと)もらしく笑ひだす、おまへは
 俺の心を和らげてくれるよ、ほんとにさ、無精に和らげてくれる。

 

 ― 中原中也 「嬰児」 ―

 

 昨日の午後、俊ちゃん夫妻が来てくれた。
 4歳のきこゆ君と、生まれて3カ月のうたう君もいっしょ。
 うたう君に会うのはこれがはじめて。

 まあ、なんとかわいい!
 ニコニコニコニコ笑ってる。
 もちろん僕だって笑ってしまう。
 ニコニコニコニコ笑ってしまう。

 うたう君はにとって、生きていることはただそれだけでうれしいことなんだ。 
 だから笑っている。
 うたう君はもちろん3月11日以降に生まれた子だ。
 でもやっぱりニコニコ笑っている。
 彼はその笑顔で自分が生まれてきた世界に祝福を与えている。
 それが希望でなくて何が希望だろう。
 どんな絶望的状況にあっても人に生きる力を与えてきたのは子どもなのだ。
 世界に祝福を与えるものを希望と呼ぶなら、希望とは子どもの別名だ。

 

 (なんて書いているうちに、私は昨日の夜から頭痛と熱の「本格的風邪」。
 朝起きてすこしはいいかと思ったが、やっぱり熱は下がらない。
 今日の塾はお休み。
 今からまた寝ます。)