「ホームが消えた−京都その5」 勝田 正人さん
実は中身が何も無い話を長々続け、その先を言い出せなくなった子供の気分ですが、今日でお仕舞いです。
サイフをもらえず困ってしまいましたが、目の前にあるのでなんとなく落着き、息も整ってきました。まあ、そこまで言うのならバッグをひっくり返し、何も無いことを見せつけ、ならば止む無しと、サイフを渡してくれることに最後の望みを託しました。
最初に出したのが日本のオジサンが大好きな黒い手帳です。表紙をめくとそこにはポケットがあり、何と私のオリジナル手製名刺があるではないか。もちろん会社名のあたりは空白です。このあたりに『凱風舎』なんて書ける寺西君がうらやましい。
ところが、この名刺一枚でJRさんはOKでした。お礼の言葉とサイフの受取と駆け出しを三つ同時に行い、目の前のエスカレーターを駆け上がり、ホームをまたぐ南北自由通路を走り抜けました。
反対の改札まで走り抜けてしまい気がつきました。
『ホームが無い!! 』
琵琶湖線草津方面、東海道線大阪方面、白浜方面、新宮方面・・・と東海道線や京都線の各方面行きの表示はあれど、北陸方面と記した表示が見当たりません。腕時計の針は完全に発車時刻と重なっています。もうだめだと、最初に上ったエスカレーターまで戻って気付きました。愕然としたとはこのことです。駆け上がった頭上に北陸方面と書いてありました。
出発点=サイフと自分証明をしていた改札口の中、さっきまで立っていた場所が北陸方面行きのホームだったのです。さっき駆け上がったエスカレターを駆け下り、車両の名前も見ず、まだ開いているドアに突進しました。
京都駅構内3D画像に駆け抜けルートを→で示した図も作ってみましたが、爽やかでも安らかでも無いので載せません。湖西線からみた夕暮の琵琶湖風景でおしまいにします。
夕暮の琵琶湖を眺めながら、次回京都へ出かける時には、必ず、必ず、満足稲荷神社に参詣し、おおいに鈴を鳴らすべしと心に決めた次第です。また、京都七条署の警察官さんやJR西日本の各部門の職員さんの適切かつ真面目な勤務姿勢にはこころから敬意と感謝の気持ちを抱いた次第です。
最後に、高階秀爾氏は近刊でもヤン(ヨハネス)フェルメールと標記していますので、私も彼にならい”ヤン”にしたいと思います。
勝田正人さんより
おたよりありがとうございます!
無事にお財布がみつかり、電車にも乗れてよかったです^^勝田さんがお話になると本当に面白いですね!(ご本人は大変な思いをされたことと思いますが^^;)楽しい京都シリーズ話、ありがとうございました!
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