凱風舎
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1800ミリ

 

 

 「二百十日で来たのだな。」

 

  ― 宮澤賢治 「風の叉三郎」 ―

 

 

 とんでもない台風でした。
 紀伊半島のある村((上北山村)では降り始めから1800ミリもの雨が降ったところもあるとか。
 1800ミリといったら、1メートル80センチです。
 私の身長を超える雨が見はるかすの一面に降り注いだということです。
 木の国の紀ノ国の山だってそんな大量の雨を支えることはできません。
 山は崩れます。
 川は溢れます。
 おそろしい水の猛威です。
 七〇人を超える人が犠牲になったのだといいます。

 九月一日は立春から数えて二百十日です。 
 古来台風の来る日として収穫期を迎えた農家の人びとが警戒する日でした。
 夜通し踊る富山八尾の「風の盆」もこれを鎮めるためのものなのでしょう。
 そういえば「風の叉三郎」があの小学校にやって来たのも九月一日でした。
 今年の台風12号もそれに合わせるように日本列島にやって来ました。

 ところで、「風の叉三郎」についている日付には四日だけ

  九月四日、日曜

と曜日が書かれています。
 叉三郎が小学校にやって来た年は今年と同じカレンダーだったんですね。 

 大寒の日から時折はサボりながらもほぼ毎日書いてきたこの通信も二百十回くらいは書いたことになるんでしょうか。