凱風舎
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白玉の

 

  八月の時分ぞ。
  草をふんでゆくと日は沈んだぞ。
   (中略)
  己は鍔(つば)のない帽子をかぶり微醺(びくん)をおびているぞ。
   (中略)
  比類のない夕まぐれ。
  己は幸福だぞ。

 

   ― 岡崎清一郎 「幸福の歌」 ―

 

 しばらく日本酒とご無沙汰していました。
 暑かったからです。
 別に、炎天下を、一升瓶を二本背負って歩くのがイヤ、だったわけではありません。
 ただ単純に、暑い日は日本酒よりビールやウイスキーだった、というだけのことです。
 ところが、この涼しさ。
 一足跳びの秋です。
 外は、すだくような、とはいかないまでも、でも、虫の声です。
 おのずと、手が伸びるのは、一升瓶です。
 つまみも変わります。
 ナッツ類、ではダメです。
 秋向きのつまみ、日本酒向きのつまみ。
 おひたし&刺身、です。

 というわけで、例によって例の如く、私はただの酔っ払いです。

 とはいえ、引用の詩は、もっと暑い時に引用すべきものだよなあ。
 でも、
  己は幸福だぞ
なので、よし、としましょう。