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キイロスズメバチ
頭頂は黒い。体には褐色の毛が多く胸の小盾板と後胸背板は黄褐色。腹部の斑紋は個体変異が多いが黄褐色の部分の面積が大きい。体長は女王で25~28㎜。働き蜂は17~25㎜、雄では25㎜内外である。巣は木の洞や軒下などにもつくられる。交尾は秋に行われ、雄だけが成虫越冬する。
食性:雑食性。分布:本州、四国、九州。
- 『フィールド図鑑 昆虫』 (解説・写真 矢島稔・佐藤有恒)-
不思議な台風だ。
列島に沿って自転車の速さで進んでいると思ったら今度はなぜか中年のおじさんみたいにうなだれ南下して行き、今度はやおら鎌首を上げて北上するらしい。
もっとも、鎌首を上げてもスピードは相変わらず自転車。
夕刊で軌跡を見れば、こないだの試験で高校二年の女の子が苦戦していた三次関数のグラフみたいだ。
もちろん高校時代の私には全然わからんグラフだった。
その台風に向かって反時計回りに吹き込む風が関東では冷たい北風となって、昨日も今日もやけに涼しい。
私はこの二日ひさしぶりの長袖。
でも、今日はお日さまも出てる。
それで、台風が来るというので簾を外した窓を開けてたら蜂が入って来た。
おっと。
キイロスズメバチ。
天井のところでウンウン唸ってる。
別にコワくはない。
コワくはないが、でも実は、昔こいつに刺されて死にそうになったことがある。
たしか小学校の3年生の時だ。
そのころ、家の背戸に菜園があってそこへ行く隣家との間の細い道に、この蜂の巣があった。
巣は隣家の板壁と壁土の間にあったのだが、その日休日で昼間から酔っぱらっていた父は、その巣の外部への出口になっている板壁の節穴をセメントで封鎖することを決意したらしい。
ランニングシャツに半ズボンの私はもちろんセメントのこね始めから父のそばにいた。
そして父がそのセメントを持って蜂の巣を封鎖するところにも付いて行った。
父は封鎖すべくセメントをその節穴に押し付けた。
しかし、板は数ミリの厚さである。
セメントのその大半は板壁と壁土の間に落ちる。
それは内部にある蜂の巣の上に甚大な衝撃をもって降りかかっている。
なおかつ、節穴はふさがらない。
巣に対する尋常ならざる攻撃にキイロスズメたちは巣から一斉に反撃に出てきた。
たぶん百を優に超える蜂たちが父と私に襲いかかったのだろう。
私は気が付くと口がしびれて何も言えなくなっていた。
上半身裸だった父は私よりいっぱい刺されたのだろうが、それでも私を抱いて近くの病院に走った。
そこまでは覚えている。
解毒の注射が効いたらしく、病院で気が付いたら、しゃべれるようになっていた
なんだか不思議な気持ちだった。
ひょっとしたら、あれが私が一番死に近かった時なのかもしれない。
でも、キイロスズメバチ、ちっとも怖くない。
というか、ちょっと懐かしい。
だから、私は 「トラウマ」 なんて信じない。
(題名はヤギコが入れました。なんだか蜂の羽音みたいだからそのままにします)