凱風舎
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4月4日

4月4日。

今日は亡き兄の誕生日。兄、といっても、私がまだ生まれる前の、まだ彼がほんの赤ちゃんだったころに天へのぼってしまったので、もちろん私の記憶になどなく、写真の1枚すら残っていません。(本当はどこかにあるのかな?私が知らないだけで)

一人っ子の私は「兄がいた」ということをずっと意識し続け、自分の成長とともに兄も自分の中で一緒に成長し続けてきました。いつでも見守ってくれている存在として、まぁ実際に同じ時を過ごしていないので、理想化していたのでしょう。そしてそれは今も変わらないままで。(頼りたいときばかり思い出してごめんなさい、なんて思いながら)
ところが母はというと、彼女の中で兄は小さな赤ちゃんだった頃のままでとまっているのです。そんな話を母としたことはないのですが、母が仏壇にお供えするお菓子はいつも小さな子供が喜ぶようなお菓子ばかり。その様子をみるたび、母親は違うんだなぁと思っていました。

今日は兄が生きていれば41歳の誕生日。
今年もまたきっと、甘ったれの妹は41歳になった兄に「お兄ちゃんお誕生日おめでとう、ずっと見守っててね」とお願いをし、実家の仏壇にはビスコやボーロのようなお菓子を母は並べているのだろうなぁ。

やまだまゆみ