凱風舎
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独り居る身の驕りとて

 

  よふけのゑひをはぢつつも

  あかるきあさのむかひざけ

  みしらぬゆゑになつかしき

  まちからまちをあるきたし

 

    ― 清岡卓行 「はるのひとひ」 ―

 

 昨日の午後、山田さんと大石君来訪す。
 彼ら二人、パソコンに向かってないやらむつかしげなる探究を致しをるも、我はかたはらに座して酒を呑み、窓よりの風を愉しむのみ。 
 日落ちてよりのこと、大石君とテラニシがをればおほかたの想像どほり、山田さんかへりてのちも飲み続けて未明三時に及ぶ。
 朝頭重く目覚めて珈琲を飲まんとすれば、昨夜の残り酒茶碗にあり。
 おお、そういえば、清岡卓行氏にかかる詩もありしよと、残り酒口にふふみて戯れにわれも四行詩をものせんとす。

 

   まどにみどりのゆるるとき

   こきこおひいはたくにあり 

   ひとりをるみのおごりとて

   うれひなきこそなげかるれ