凱風舎
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「ペスト」 勝田正人さん

ペスト

地震の日、たまたまですが、私の机には『ペスト』/カミュが読みさしのまま積んでありました。
とても恐ろしい出だしです。

四月十六日の朝、医師ベルナール・リユーは、診察室から出かけようとして、階段口のまんなかで一匹の死んだ鼠につまずいた。咄嗟に、気にもとめず押しのけて、階段を降りた。しかし、通りまで出て、その鼠がふだんいそうもない場所にいたという考えがふと浮かび、引っ返して門番に注意した。

辺見庸は宮城県石巻市の出身です。地震直後の新聞の引き写しですが、こんな風にゆうてます。

・・・光景と音に私は恐怖をさらにこえる「畏れ」を感じた。非常無比にして荘厳なもの、人智ではとうてい制しえない力が、なぜか満腔の怒気をおびてたちあがっていた。水と火。地鳴りと海鳴り。それらは交響してわたしたちになにかを命じているようにおもわれた。たとえば「ひとよ、われに恐懼せよ」と。・・・

・・・カミュが小説『ペスト』で示唆した結論は、人間は結局、なにごとも制することができない、この世に生きることの不条理はどうあっても避けられない、という考えだった。カミュはそれでもなお主人公ベルナール・リユーに、ひとがひとにひたすら誠実であることのかけがえなさをかたらせている。あきれるばかりに単純な命題は、いかなる修飾もそがれているぶん、かえってどこまでも深玄である。・・・

こんな厳しい内容に、わたしは何ごとか云うことはとてもできません。よろしかったら、下記の日曜日のテレビを一緒に見ませんか。

「心の時代・辺見庸が語る東日本大震災」

2011年4月24日(日曜)朝5時から6時までNHK教育テレビ。再放送は30日(土曜)13時から14時。デジタル教育2というチャンネルでも4月25日曜(月曜)14時から再放送。

以上では、笑顔の広場/みんなのお便りらしくありませんね。

新井君!君はエライ。おお、能見君!君もやるじゃないか!。マートンちゃん!今年も頼むよ!!
祝開幕勝利!!!

勝田正人さんより

おたよりありがとうございます!
「ペスト」、これからとてつもなく恐ろしいことが始まることを予感させ、読者もまた恐ろしいペストの世界へと引き込まれていく…そんな始まりの小説なのですね。
「心の時代・辺見庸が語る東日本大震災」のご紹介ありがとうございます。(朝5時はきっと厳しいですが^^;)再放送、覚えておきます。

運営スタッフ一同より

 

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